――昭和78年。
自殺者数の異常な増加に伴い現代社会に飯櫃な暗雲が垂れ込め、
若者達の前途に視えない影を落としていた。


一方、人口5万人程度の小さな街、黄冥ヶ市(よみがし)にある朽鳴高校の放課後。
いつも通り下校時刻になり、昇降口から校門へと続く坂を下るユウマ。

所が不可解な事に校門は一向に視えず、立ち往生してしまう。

ふと幼馴染のヒナミに呼び止められる。
「……どうしたの?ユウマ君」
「いつもと様子が違うんだ……」


彼女は妙に冷静だった。まるでこうなる事を予知していたかのように。

「……ねぇ、知ってる?この街のウワサ……」
ヒナミは唐突に訊ねた。

気づけば、どんよりとした空一面は薄紅色に染め上がっていた。